Human's default is Mindlessness!?
マインドフルネス(オープンモニタリング)前回の続きです。
スキル習得に関していうと、たいていのことは、こつこつとトレーニングを重ねるのが一番の近道です。急がば回れの心意気で、マインドフルネスも例外ではありません。そういった意味で、マインドフルネスは心の筋トレと言えるのです。だからといって、逆に禅寺で行うような、無になる、あるいは悟りを開くための厳しい修行瞑想とも違います。無になることは至高体験ではありますが、心理のマインドフルネスには、そうでなくてはならない!という戒律のようなものはありません。ただし”意図的に”行います。ポイントがあります。
急がば回れで、ポイントをおさえた心の筋トレを。
ヒトは常に考え事をしながら生きていると言っても過言ではありません。この意識がさまよっているあいだに、時々はっと我に返ることがあります。この瞬間に起きる意識の持ちようが、まさにマインドルフネスであり「目覚めの状態」と言えます。ところが、またすぐさまいろいろな考えが浮かんできて「心ここにあらず」の状態になってしまいます。だからマインドフルネスを行うには、過去や未来に心をとばさず、”今ここ”に集中します。
今ここに集中して「目覚めの状態」にあること。
さらに、うつっぽいときには、心もネガティブにさまよいます。そんな時にポイントをおさえずやみくもに自己洞察をすると、「こんなことを考えるなんて、だから自分はダメなんだ」とネガティブに判断を下し、それによってさらにつらくなり、「こんな自分なんかいなくなった方が良い」「どこかにいってしまいたい」「死んだほうがまし」というように、負の連鎖が起きやすくなります。自然と起こってしまうネガティブスパイラルに気づき、脱することが肝心です。自己洞察は常にマインドフルネスの姿勢で、ノン・ジャッジメントでいること、あらゆる判断・評価を下さないことが大切です。
心がさまようのがヒトという生き物。ノン・ジャッジの姿勢がネガティブ・スパイラルを防ぎます。
このように、心がさまよい思考の波にのみこまれて「イマココ」の現実との接触が失われ、なおかつそのことに気づいていないこと、これを仏教では「無知(マインドレスネス)」と言います。でも実はそれがヒトの心の初期設定の状態なのです。この初期設定は、まさにデフォルトモードネットワークという名前がついていて、ヒトの脳は進化の過程でこの仕組みを備え、意識がさまように出来上がっているのです。マインドフルネスの途中で、別のことが頭をよぎり始めたら、それすら「ああ自分は今意識がそれているなぁ」と気づき、またモニタリングにもどるという、気づきとともに意識を元に戻すのもまた、オープンモニタリングのマインドフルネスなのです。
心ここにあらずを仏教では「無知」、その仕組みを脳科学では「デフォルトモードネットワーク」という。
ちょっと興味が湧きましたか? 今あなたはどのように感じたか、モニタリングしてみてください。
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